1973年のミュージカル映画『GODSPELL(ゴッドスペル)』の本編の内容の解説ページです。
※こちらは、1973年の映画版に関するメモです! 舞台版は曲順や曲の数、引用の選抜、演出等が大きく違いますので、参考にならない点もございます。その点、ご了承ください。
※聖書を使用した物語の性質上、「ラストのネタバレ」というものは考えずに最後まで情報を記載いたします。気になる方は当ページの閲覧を避け、ご視聴後にご参考ください。
※当ホームページの管理者は聖書の知識が浅く、こちらのメモにはどうしても独自の解釈が混じっております。それに伴い、実際に作品から受け取るべきテーマから乖離している可能性もあります。宗教という繊細なテーマに対し、誤った解釈が広まる危険性だけは避けたく思いますので、あくまで「映画を見るために、色々と調べた人がいたんだなぁ」程度に考えていただけますと幸いです。聖書の引用個所に関しましては、実際の聖書に記載の内容と映画から受け取るものを大切にしてください。よろしくお願いいたします。
「主の道を用意せよ!」 人に溢れるNYに突然現れた不思議な洗礼者ヨハネ(*1)のもとに、若者たち、そして“ジーザス”が集った。彼らは人のいなくなったNYの中で平和を愛するフラワーチルドレン(*2)となり、共に遊び、笑い、家を建て、冒険をする。「敵を愛し、心の光を失わず、美しい街を作ろうよ」 ジーザスの教えを一つ一つ真似ながら楽しい時間を過ごす若者たち。しかし、イスカリオテのユダだけは彼を裏切ることを心に決め始めていた……。この物語にも、日暮れとともに聖書通りの終わりが近づいていく。彼らが最後に失うもの、そして永久に得るものとは?
(*1) 洗礼者ヨハネとユダが同役であり、いつの間にか洗礼者ヨハネがユダとなる。つまり、始めた人が終わらせる構図となる。つらい!
(*2) この映画版ではフラワーチルドレン、つまり、1960年代の世界の戦争状況に花を差し出して対抗した集団(そして、その終わり)がキーワードとなる。
▼00min
・プロローグ Prologue
▼01min
・洗礼者ヨハネ John the Baptist
♫Prepare Ye The Way of The Lord
▼09min
・イエスの洗礼 Baptism of Jesus
♫Save The People
讃美歌≪When wilt thou save the people?≫からの引用。「主よ、どうぞ我らをお救いください」ジーザスが穏やかな声で神への願いと祈りを歌いあげ、みんながそれに続く。オープニングとは違う、フラワーチルドレンな洋服を着て……。彼らは素敵な空き地に辿り着く。
▼14 min
・律法の実現 Fulfil the Law
▼17min
・税吏の祈祷 Pharisee & Publican
▼18min
・紛争の解決 Settling Disputes
▼19min
・無慈悲な家来 Unmerciful Servant
♫Day By Day
聖リチャードの祈りの言葉より抜粋された歌詞(参考)。「毎日3つの言葉を祈ります。もっとちゃんと理解して、もっと深く愛して、もっと貴方のおそばにいられますように……。」みんなで空き地を楽しく改造しながら、より自分らしい洋服やメイクを生み出していく。まるで、居心地の良い自分たちの家、帰ってくる場所を作るように。そして、彼らは街へと冒険に繰り出した!
▼24min
・目には目を Eye for Eye
▼25min
・羊か山羊か Sheep and Goats
▼27min
・内なる灯 Lamp for the Body
♫Turn Back, O Man
上記の寸劇を受けて、誰もいない廃墟でお金持ちの真似をしながら人々の行いを憂える。「立ち戻れ人よ、愚かな行いをやめよ!」ノリノリなみんなの端でジーザスはひっそりと、公平な世の中、ひとつになる人々を夢見る。讃美歌≪Turn back, O man, forswear thy foolish ways≫より抜粋の歌詞。
▼33min
・善きサマリヤ人 Good Samaritan
▼35min
・施しを与えるなら Giving Alms
▼36min
・金持ちとラザロ Rich Man & Lazarus
♫Bless The Lord
「どうぞ神の祝福を!」金持ちとラザロの例えの寸劇を受けて、みんなで神を讃える楽しいショーを作る。讃美歌≪O Bless the Lord, My Soul≫と旧約聖書『詩篇』の第103篇より抜粋。
▼42min
・至福の教え Beatitudes
♫All For The Best
・他を裁くならば Judging Others
▼49min
・汝の敵を愛せ Love your Enemies
▼50min
・種蒔く人の例え Parable of the Sower
♫All Good Gifts
・野の百合を想う Consider the Lilies
讃美歌≪We plow the fields, and scatter≫からの抜粋。生活、健康、食べ物……神の恵みに感謝する歌。
途中、ジーザスだけがみんなから離れ、ひっそりと野に咲いた小さな花を見る。「明日にも炉に投げ込まれるかもしれない野の草さえ、神はこんなに美しく装ってくださる。わたしたちによくしてくださらないわけがないんだ。」
▼56min
・放蕩息子の例え Prodigal Son
▼62min
・求めよ、さすれば… Ask, Seek, Knock
♫Light of The World
・地の塩、世の光 Salt and Light
▼65min
・権威を疑え Question on Authority
・シーザーへの納税 Taxes to Caesar
・最大の戒め Greatest Commandment
・七つの災い Seven Woes
♫Alas For You
▼74min
♫By My Side
・ユダの裏切り Betrayal of Judas
♫Beautiful City
長い旅も徐々に終わりに近づく。何も知らないふりをしているジーザスとユダ、そして何も知らない純粋な若者たち。彼らは一日の終わりに手を繋いでNY(天使の街)を歩く。朗らかに、笑顔で、これからのことを歌う。きっとよりよい街を作ろう、「人の街」にしよう、ぼくらならそれが出来るよ、と。
▼78min
・最後の晩餐 Last Supper
♫On The Willows
▼84min
・ゲッセマネの祈り Gethsemane
・誘惑 Temptation
・イエスの捕縛 Arrest
・イエスの死 Death
・イエスの埋葬 Burial
♫Final/Long Live God
♫Day By Day (Reprise)
そして、NYの街に彼らは去り、
溶け込んでいく。
人波が戻った元のNYには、
『GODSPELL』が今もきっとあるのだ。
すこし切なくも明るい、
愛国心あふれるフィナーレ。
「舞台版は曲順や曲の数、引用の選抜、演出等が大きく違います」と前述いたしましたが、具体的にどのような点が違うのか、いくつかメモとして記載しておこうと思います。舞台版の中でも各プロダクションごとに違いますので(どうも聖書のセリフを改変しないこと以外はわりと自由なようです!)、ご参考まで。